文系PhDの日常

実学から遠い文系;博士号ほしい;海外留学中

卒業までの道のり

今日は、来週ディフェンスをする同僚に博士論文をもらいました。どういうふうなシステムなのか分からないのですが、この研究所で博士号を取得した人はみな、博士論文を赤い本の形に製本して大量に配布してくれます。というわけで、ふくろう(?)の絵のついた赤い本をもらいました。実験系なのでわたしとはちょっと分野が違い、詳しくはまだ読めていません。

でも、少しでも読みたいなと思って最初のページをめくったところ、そこが謝辞のページでした。思わず読み始めてしまい……危うく泣きかけました。

私はその同僚のことを長く知っているわけでも何でもありません。半年間ぐらい、たまにみんなと一緒にお昼を食べていたぐらいです。それも、別に約束とかしているわけではなくて、たまたま会って、みたいな形で。いつもにこにこ声をかけてくれて、優しい人だなと思っていたのですが、謝辞にもその人柄が現れていたように思います。

たくさんの人への感謝が語りかけるような手紙調でつづられていて、同僚がここで勉強を始め、色々な人と友達になり、苦労しながらも研究を続け、ようやくここまでたどり着いた、という道のりが透けて見えて

彼女が歩んできた道のりや、経験したであろう苦労や喜びを思うと

涙腺が緩みまくりでした。

 

考えてみれば、日本にいたとき、わたしは直近に優秀な先輩がいたので、数年後の博論提出を見据えながら歩む、というより、近くの先輩の背中をとりあえず必死に追いかける、というような研究の仕方でした。それが、ここには「直近の先輩」みたいな人がいません。テーマが近い人もあまりいないし、みな色々なバックグラウンドをもって入学してくるので学年もばらばら。誰がいつ卒業するのか全然分かりません。

なので必然的に「先輩が全国学会で発表したから、来年はわたしも」のような短期的な目標ではなく、「〇年後に博論を」というような長期的な目標設定に意識が変化していたように思います。数年間という時間的な長さと、その時に必要とされる研究成果には気が遠くなってしまいますね……しかし、それを本当に走り切って、故国に帰る同僚の姿は、怖気づいてしまう自分を鼓舞してくれます。

 

同僚はディフェンス後、割とすぐに引っ越しをしてしまうそうで、今は非常に忙しそうです。でも、故国に帰れば就職先も決まっていると言いますし、優秀ですね。

無事にディフェンスが終わった暁には、改めて本当に本当におめでとうと伝えたいと思います。

 

今日はこんなところで。