文系PhDの日常

実学から遠い文系;博士号ほしい;海外留学中

人種差別問題

さて。最近差別的な発言を身近で耳にしたので、その経験を書いてみようと思います。

私は普段、あまり差別的な発言を気にしたりしません。だって高校生(ぐらいの子供)が何かアジア人差別的なことを叫んで、笑いながら自転車で通り過ぎていったってさ……「まあ若いのね」ってだけです。

しかし先日思わず考え込んでしまうような発言を聞きました。しかも自分の研究所で(つまりPhD生や研究者のいる、いわば高学歴の巣窟のようなところで)。

 

その時はお昼休みが終わる頃の時間で、閑散としていました。研究所の共有テーブルで、現地のPhD生二人が、最初は同僚のゴシップ話(誰と誰は付き合ってるか、みたいな)を現地語でしていて、そこから「でも、〇〇は個人的なこととかあまり話さないよね~」と片方が言ったとき。

もう片方の子が「まあ、ランチの時に中国人が同じテーブルについているような状況で、話すようなことじゃないよね」とさらっと言ったのでした。

この発言は、私は結構衝撃でした。

国際的な研究所で、同僚も色々なバックグラウンドの人がいて、同じテーブルに私(外見100%アジア人)がいる状況で、「それ、言う?」と。

恐らく発言者(新人。私とはほとんど交流がない)は「良く知らない人も一緒のときにぺらぺら話せるようなことじゃない」という主旨のことを言いたかったのだろうとは思います。それに、私が現地語が分からないと思っていた可能性も結構あります。

でもねえ……そういう言い方を咄嗟にするってことが、既に何かを物語っているわけじゃないかと思ってしまうわけです。

 

ただ、悪意があったわけではないのだろうな、とは思います。現地のレストランや店で、あからさまに差別されたことは全くないですし、相当田舎にも行きましたがじろじろ見られることもありません。なので、常識ある大人が積極的に差別するようなお国柄ではないのは分かっています。

では、どうして上記のような差別的ともとれる発言をして平気な顔していられるかと言うと、ある意味無邪気というか、差別に対する感覚がゆるゆるだなと思うわけです。

そう考えてみると、黒人やアジア人(現地の人はたいてい中国人・日本人・韓国人、下手したら東南アジア人の区別が全くつかない)に対してちょっと笑いものにしたり、ジョークのネタにしたりするのは今までもよく耳にしていました。そこにたいてい悪意はないわけです。アネクドートというか、ちょっとしたオチのある笑い話の一種であって、「天国ではシェフはフランス人……妻は日本人、地獄は……」みたいなジョークの仲間というような意識なのだと思います。

私も通常は、そういう現地人の意識レベルに合わせた対応を心掛けるわけですが、しかし、そういうジョークを許容するからこそ、上記の発言を何気なくしてしまうような素地ができていったとも考えられるのでは!?と考え始めてしまい……それに、そういう「無邪気さからの差別的言動」のようなものは日本にもあるなと思うし(白人の友人が日本留学中に「あ、外人だ」と小学生に指をさされた話とか)……。

かつて、アメリカからの留学生が「ヨーロッパは人種差別がまかり通っているからびっくりした」と言っていましたが、こういうことか……。

 

まあ、しかし、上記の発言を受け流せず考え込んでしまったのは、異文化の人とうまくコミュニケーションをとることの難しさみたいなものをつらつら考えていた、ちょうどその時に言われたからとも思えます。

異文化コミュニケーションの難しさについて思ったことは、今度の記事にでも書きましょう。

 

ネガティブなことを書きましたが、私は基本的には滞在国が好きだということは強調したいと思います。

今日はこんなところで。