文系PhDの日常

実学から遠い文系;博士号ほしい;海外留学中

日本の人文系・院生ライフ7:学会とは

日本での院生時代(修士&博士)を回顧するシリーズ第七弾。

前回の記事で「春と秋に学会があって……」と言ったのですが

 

phdnonichijo.hateblo.jp

 

「そもそも学会って何?どんなことしてるの?」

という人も読んでいるかもしれないので、今日は学会について説明したいと思います。

 

学会は二つのモノを意味します。

一つは、研究発表の場として、つまりカンファレンスとしての学会です。

 

専門の研究者というのは、普段周りに同じ専門の人がいるとは限りません。一つの大学で専門が同じ先生は要らないですからね。

となると「ちょっと議論したいな~自分はこう思うんだけど、みんなの意見を聞きたいな~」という時に聞ける人が身近にいなかったりするわけです。

この「誰かに自分の研究の内容を聞いて欲しい。是非突っ込んで議論したい」というニーズに応えるのが、カンファレンスとしての学会です。

 

カンファレンスとしての学会は色々あります。

数十人程度から千人規模まで色々な大きさのものがあり、期間も、一日だけのもの、数日間に渡るもの様々です。

 

研究の内容を聞いて欲しい、という欲求がある人は、事前に応募して発表者として立候補することが出来ます。

このとき、主な発表方法は以下の二つです:

 

① ポスター発表

自分の研究内容をA0のポスターにまとめ、指定の場所にポスターを掲示して横に立って待ちます。誰か来たら説明してあげます。(発表時間がきちんと決まっている場合もある。)

 

② 口頭発表

数十人から数百人の前で15分から45分程度話して、5分から15分程度、会場からの質問に答えます。

(私の分野ではポスター発表よりも口頭発表のほうが、難易度が高いと見なされている。)

 

カンファレンスとしての学会は、普段会えない人から意見をもらうという点で非常に有意義です。

また、学会での発表は業績の一つにカウントされますから、若手にとっては業績を伸ばすチャンスです。

 

一方で、分野によっては、発表時間も質疑応答の時間も短いために表面的な議論しかできず、「学会は遠足/社交の場」と見なされる場合もあるようです。

(学会の構造的な問題点について興味のあるコアな読者は、京都大学学際融合教育推進研究センターのシンポジウム「学会を問う」を観てみてください)。

 

二つ目の学会は、カンファレンスの運営組織としての学会です。

 

研究者のプロフィールに「日本〇〇学会所属」と書いてあることがありますが、そういうときの学会は組織のことを指しています。

 

これも規模は様々です。

主な仕事は、カンファレンスとしての学会の運営と学会誌(論文雑誌)の発行。

 

私は、地域密着型のに二つ、全国学会(いわゆる「日本〇〇学会」)に一つ入っています。

 

これは年会費がかかるのですよ……今は私は学割がかかってますが、複数学会に所属していると結構バカにならない額になります。

海外に今後、長く住むとしたら断捨離対象ですね。

 

 

しかし、こういうカンファレンスとしての学会や運営組織としての学会は

 

・専門の近い研究者同士で議論することで、研究の質を高める

・専門の近い研究者間の交流を深める

 

という面で一役買っていると思います。

 

院生をしていると、いわゆる「学会デビュー」というのがあり、専門の近い皆様に「今後ともどうぞ宜しく」的な意味合いを兼ねて発表をさせてもらったりします。

人文系の研究って特に、ともすれば孤独な作業なので、学会で同志・諸先輩方にお会いできて、個人的には大変心強かったのを覚えています。

 

 

 

以上、学会の概要をざっくりお話ししました。

 次は「査読」システムか研究者のCV(履歴書)についてかな。

 

 

今日はこんなところで。

 

 

「日本の人文系・院生ライフ」シリーズの過去記事はこちらから↓

日本の人文系・院生ライフ1:概論 - 文系PhDの日常

日本の人文系・院生ライフ2:個人的経験 - 文系PhDの日常

日本の人文系・院生ライフ3:精神的不調 - 文系PhDの日常

日本の人文系・院生ライフ4:研究はお金がかかるのです - 文系PhDの日常

日本の人文系・院生ライフ5:生活リズム - 文系PhDの日常

日本の人文系・院生ライフ6:年間スケジュール - 文系PhDの日常