文系PhDの日常

実学から遠い文系;博士号ほしい;海外留学中

地球の反対側から上橋菜穂子さんへの愛を叫ぶ

こんにちは、作家、上橋菜穂子さんが大好きなはたえるどです。

今日は上橋さんの著作『守り人シリーズ』にまつわるごく個人的な思いを存分に書き散らかそうと思います。

 

 

守り人シリーズ』が私にとって大切であるわけ。

一言で言えば、それは

私は守り人シリーズと一緒に人生を歩んできたから

です。

 

上橋菜穂子さんと言えば『鹿の王 1 (角川文庫)』、『獣の奏者 I闘蛇編 (講談社文庫)』シリーズや『狐笛のかなた(新潮文庫)』など、児童文学の枠を超える素晴らしいファンタジー作品を数々生み出してきた作家です。

 

が、私が読み始めた当初(小学生でした)それらの作品はまだ存在しませんでした。

 

よって私が上橋さんの著作で最初に読んだのは『精霊の守り人』です。

 

 

読んだのは小学校中学年から高学年にかけてですが、この本がとにかく面白かった。

 

主人公は女用心棒バルサ

もうアラサーのおばさんですが、滅法強くてハードボイルドでカッコいい。

そしてバルサに助けられるチャグム少年。

 

読み始めた当時は、バルサに憧れる一方、歳の近いチャグムに自分を投影させ、バルサと一緒に旅しながら、チャグムのように成長していくという感覚で読んでいたように思います。

 

(余談ですが、親に「この本はハリー・ポッターより面白い」と勧めた記憶がありますが、親は「子供の本」と思ったのか読みませんでした……が、後年文庫化して話題になり始めてからわざわざ文庫版を買って読み始めました。)

 

私が読み始めたときは、第一巻『精霊の守り人』と第二巻『闇の守り人』と第三巻『夢の守り人』の単行本が出てたぐらいかな?

もしかしたら『虚空の旅人』も出ていたかもしれません。

チャグムが主人公となる『旅人』シリーズは、最初は外伝のようなつもりで読んでいました。

 

そうそう、守り人シリーズの単行本の表紙(二木真希子さんによる)は、物語の世界観に合っていて非常に素敵でしたが、旅人シリーズの佐竹美保さんの絵もクールで瑞々しい雰囲気がチャグムの若々しさと合っていて良かったですね。

今は、文庫版、軽装版もありますが、正直に言うと、私は単行本の装丁が一番好きです。

 

読み始めた当時、私は「シリーズ本は次々出版される」ということをあまりはっきりとわかっていませんでした。

年単位で次の本の出版を待つということが具体的にイメージできなかったのだと思います。

 

なので当時は「守り人三部作+旅人」というシリーズだと認識していました。

 

そうして私の小学生時代は終了し、中学生時代に突入します。

部活が忙しくなり、本の虫ではなくなった私は、本の情報に疎くなりました。

 

でも『守り人シリーズ』のことは常に頭にありました。

時たま図書館に行っては、作者の上橋菜穂子さんのエッセイ『隣のアボリジニ――小さな町に暮らす先住民 (ちくま文庫)』を読んだり、上橋さんが文化人類学者だと知って文化人類学について調べたり。

 

守り人シリーズ』の多文化入り乱れる色彩豊かな世界観が大好きで、「やっぱり文化人類学者だから、色々な文化について詳しく記述できるのかな」と思っていたのですよ。

 

 

そんなある日、本屋でぷらぷら児童書のコーナーに行くと

 

 

守り人シリーズに!

続編が!!

出てる!!!

 

しかも二冊!!!!

 

 

何とかお金を工面して読みましたが(当時私はお小遣いがなかった)、『神の守り人』は結構怖かったです(私はホラーが苦手)。

死体とか結構出てくる感じなのでね。

 

でも相変わらずバルサはかっこよくて痺れる。

様々な文化の入り乱れる緻密な世界観も好き。

 

守り人シリーズへの愛を再確認したのでした。

 

続いて出版されたのが『蒼路の旅人』。

 

 

私は当時、チャグムよりバルサが好きだったので「なーんだ、チャグムの話」と思って読み始めたのですが……

 

おや?

 

なんだか……壮大な話になってきたぞ?

 

しかもチャグム……成長してる!!

バルサに助けてもらった「幼い男の子」ではなく、己の信念をもって己を律することのできる青年になってる!と大変な驚きでした。

 

しかも、チャグムはまた私と同い年ぐらいになっていたのです!

当時私もまた、小学生から中学生になっていました。

 

気付いたら、チャグムの気持ちに寄り添うように、また一緒に旅をしていました。

 

 

この本は明らかに続きがある終わり方をしたので、私は「次作を必ず読まねばならん」とアンテナを張って生きていました。

 

そして満を持して『天と地の守り人』三部作が出版されました。

ここに来てバルサの物語である『守り人シリーズ』とチャグムの物語である『旅人シリーズ』が大合流。

 

 

様々な伏線が回収されて、途中から身震いしながら大号泣。

 

チャグムはやはり私と同い年ぐらいの青年になっていました。

でももう、バルサに助けてもらってばかりのチャグムではありません。

 

彼女と一緒に戦い、彼女を助けることができるぐらい成長していたのです。

 

 

私が守り人シリーズを読み始めてから今に至る過程を思い出しました。

思えば、当時は思ってもみなかったところにいるような気もします。

 

でも、私も曲がりなりにも成長していました。

チャグムの成長は、鏡写しで私の成長でもありました。

チャグムほど立派ではないにしても、私も色々な面で大きくなった。

 

チャグムの成長と自分の成長が重なって、さらに感慨深い気持ちになりました。

同時に「このシリーズは、私の人生で特別な地位を占めている」という事実を噛みしめていました。

 

第一巻『精霊の守り人』を読んでから約十年の月日が流れていました。

物語の登場人物たちも年をとり、私も年をとりました。

バルサもチャグムも境遇が変化しましたし、私の置かれた状況も大きく変化していました。

 

でも、私はまだ『守り人シリーズ』を読んでいます。

バルサと一緒に旅をし、チャグムと一緒に泣き笑いしながら生きています。

 

私にとって『守り人シリーズ』は、約十年にも渡る長い期間、登場人物たちと共に歩んできたという実感がある唯一のシリーズです。

 

 

こんな豊かな読書体験をできたことを大変幸運に思っています。

 

 

 

私は結局、文化人類学を勉強しませんでした。

でも近い分野にいます。

そんなところにも、『守り人シリーズ 』の影響が見られます。

 

 

これからも私は『守り人シリーズ』を大切に思い続けるでしょう。

そして作者の上橋菜穂子さんの著作を欠かさずチェックし続けようと思っています。

 

 

 

 

個人的な長文につきあって頂き、ありがとうございました。

 

 

今日はこんなところで。

 

 

 

 

※ ちなみに上橋菜穂子さんの公式サイトはこちら↓ ※

 

uehashi.com